ONDOとは:米国債×ブロックチェーンの革新
現代の金融市場では、伝統的な金融資産と
分散型金融(DeFi)の間に大きな隔たりが存在しています。米国債などの安全資産は高い信頼性を持つ一方で、24時間365日の取引は困難でした。一方、
ブロックチェーン技術を活用した分散型金融システムは高い利便性を実現するものの、価格変動の激しさから安定的な投資先としての課題を抱えてきました。こうした課題を解決するために登場したのが「仮想通貨ONDO(オンド)」です。ONDOは、Ondo Finance が開発する革新的なプロジェクトであり、米国債などの実世界の資産をトークン化し、伝統的な金融と分散型エコシステムの架け橋となるソリューションを実現しています。ONDOの重要な特徴として、従来の金融システムの制約を超えて、24時間365日の取引を可能にすることが挙げられます。本記事では、ONDOの基本概念から特徴、ユースケース、価格動向、将来性まで詳しく解説していきます。
ONDO(オンド)とは?
仮想通貨ONDO(オンド)は、
Ondo Finance が開発する
RWA(実世界資産)トークン化プロジェクトのガバナンストークンです。2024年1月にローンチされ、米国債や銀行預金などの伝統的な金融資産をブロックチェーン上でトークン化することで、「次世代の金融インフラ」の構築を目指しています。Ondo Finance は分散型台帳技術を活用したプロジェクトであり、ONDO仮想通貨の技術基盤により投資家に新たな価値を実現します。

ONDOトークンは
Proof of Stake(PoS)コンセンサスメカニズムを採用し、エネルギー効率の高い分散型ネットワーク運営を実現しています。発行上限は100億枚に設定されており、追加発行は行われない設計により希少性が保たれています。こうした技術的な優位性が、ONDOの特徴として挙げられます。
プロジェクトの目的
Ondo Financeは、元ゴールドマン・サックス出身のNathan Allmanによって設立されました。プロジェクトの核心は、米国債という安全資産をブロックチェーン上で24時間365日取引可能にすることで、投資家に新たな価値を実現することです。ONDOは革新的な技術により、従来の金融システムでは実現できなかった機能を実現します。現在、BlackRock、Mastercard、Rippleといった業界最大手との戦略的提携により、トークン化米国債市場の約35%のシェアを占める圧倒的なリーダーポジションを確立しています。この実績が、仮想通貨ONDOの成長を支えています。
ONDO(オンド)の特徴
実世界の資産をトークン化
仮想通貨ONDOの最大の特徴は、米国債や債券といった伝統的な金融資産をブロックチェーン上でデジタルトークンに変換する技術です。この革新的なアプローチにより、従来の証券市場では不可能だった24時間365日の取引が実現されています。ブロックチェーン上での全取引記録が公開されることで透明性が確保され、仲介業者の削減により手数料も大幅に軽減されます。さらに、ONDOは世界中からの参加を可能にし、地理的制約を超えたアクセス性を実現しています。
安定的な利回りの実現
ONDOエコシステムでは、2つの主要なトークンが安定的な利回りを実現しています。ONDOの技術基盤上で動作する
OUSGトークンは、BlackRockの米国短期国債ETFを裏付け資産とし、機関投資家・認定投資家向けに年率約4%の利回りを実現しています。一方、もう一つの重要なプロダクトである
USDYトークンは、米国短期国債と銀行預金を担保とし、米国外の個人・法人投資家向けに
年率約5%の利回りを実現しています。これらのトークンは保有するだけで自動的に利息が蓄積される設計となっており、従来の分散型金融で必要だった複雑なステーキング手続きは一切不要です。
ONDO(オンド)のユースケース
機関投資家向けサービス
機関投資家は、ONDOのOUSGトークンを通じて従来の国債投資では実現できなかった革新的なメリットを享受できます。ONDOの技術により24時間いつでも売買が可能な流動性に加えて、
Flux Financeプロトコルでの担保活用により効率的な資金運用が実現されています。ブロックチェーン上での取引履歴により、従来の金融システムでは困難だった高い透明性も確保されています。さらに、OUSGやUSDYトークンを担保として追加の流動性を確保することで、資金効率の最大化も図れます。現在、複数の年金基金、保険会社、ヘッジファンドがOUSGを資産ポートフォリオに組み入れており、機関投資家の間でRWAトークンの実用性が広く認識されています。
個人投資家向けプロダクト
個人投資家向けには、USDYトークンがより手軽な投資機会を実現しています。保有するだけで自動的に利息収入を得られるシンプルな仕組みにより、仮想通貨初心者でも安心して利用できます。USDYトークンは、
ステーブルコインのような価格安定性と利回りを両立させ、イーサリアム、ソラナ、ポリゴンなどのマルチチェーン対応により高い流動性を維持しています。ONDOは従来の銀行預金を上回る利回りを実現しながら、ブロックチェーンの透明性と24時間取引の利便性を兼ね備えた理想的な投資先となっています。
国際送金・決済
Rippleとの提携により実現されたクロスボーダー決済機能では、国際送金中の資金待機時間も有効活用できます。従来のコルレス銀行経由の送金では、資金が中継地点で滞留する間は利息を得られませんでしたが、RLUSDとOUSGの組み合わせにより送金中も利回りを獲得できる革新的なサービスが実現されています。金融機関の国際送金業務においてコスト削減と効率性向上を同時に実現し、個人の国際送金においても送金手数料の削減と待機時間中の利回り獲得という二重のメリットを享受できます。
ONDO(オンド)の価格動向
過去の価格推移
仮想通貨ONDOは2024年1月に約0.08ドルでローンチしました。初期の流動性が限定的だった期間を経て、BlackRockとの提携発表を機に価格が急上昇しました。2024年後半は仮想通貨市場全体の強気相場と相まって大幅な上昇を記録し、特に11月の米大統領選後には市場全体の楽観的なセンチメントにより価格が急騰しました。この期間中、多くの暗号資産取引所でONDOの取引量が急増し、RWAトークンへの投資家の期待が価格に反映されました。12月には史上最高値の2.1ドルを記録し、2024年を通じて約26倍という驚異的な上昇率を達成して、RWAブームを牽引する代表的な銘柄として市場の注目を集めました。
現在の状況
2025年に入ってからは利確売りと金利環境の変化により調整局面を経験しました。FOMCでの金利政策への懸念や、2025年2月のBybitでのハッキング事件の影響により、仮想通貨ONDOは一時0.6ドル付近まで下落する場面もありました。この調整期間でも、主要な暗号資産取引所は仮想通貨ONDOの流動性を維持し、機関投資家による買い支えが見られました。MastercardやRippleとの提携発表により、長期的なファンダメンタルズへの信頼がONDOの価格を下支えしています。2025年6月現在、仮想通貨ONDOは0.77ドル付近で推移しており、短期的なボラティリティはあるものの、実需に基づいた安定的な価格形成が期待されています。
価格に影響する要因
仮想通貨ONDOの価格は、RWA市場の拡大と機関投資家の参入、大手企業との新たな提携発表、規制環境の整備進展などが上昇要因となります。一方で、2025年11月から2026年1月にかけてのトークンアンロックでは19億枚が解禁される予定で、短期的なONDOの価格下落要因として注意が必要です。また、FRBの利下げによる国債利回りの魅力度低下や規制リスクの増大もONDOの価格に影響する可能性があります。主要アナリストによる価格予測では、短期目線で1.02ドル、中期的には1.5-2.1ドルの価格水準に達する可能性があるとの見方が示されており、仮想通貨ONDOの将来性が期待されています。
ONDO(オンド)の将来性
大手企業との戦略的提携
2024年8月、世界最大の資産運用会社BlackRockのトークン化ファンドBUILDに仮想通貨ONDOのOUSGが採用されました。2025年2月には残高が4億ドルを突破し、オンチェーン最大の国債ファンドとなっています。この提携は、Ondo Finance の信頼性と技術力を証明する重要なマイルストーンであり、機関投資家向けRWA市場におけるONDOの主導的地位を確立しています。Mastercardとの金融革新では、Multi-Token Network上でONDOのOUSGの即時取引システムを開始し、商業銀行の余剰流動性を24時間365日運用可能にしました。従来の金融システムでは不可能だった革新的なサービスにより、銀行業界からの評価も高く、複数の商業銀行が仮想通貨ONDOのパイロットプログラムへの参加を表明しています。Rippleとの国際決済連携では、XRP Ledger上でONDOのOUSGの即時償還機能を実装し、国際送金中も利回りを獲得できるサービスを実現しています。RippleNet経由でのOUSG流通により、Ondo Finance のリーチは従来のイーサリアムエコシステムを超えて大幅に拡大し、グローバルな金融インフラとしての地位を確立しつつあります。
市場規模の拡大見通し
マッキンゼーによると「
2030年までにRWAトークン化市場が2兆ドルに拡大する可能性」を示唆しています。その中で国債トークンが3-4割を占めると予想され、先行するOndo Finance はこの成長市場でトップ3の地位を維持すると期待されています。現在、Ondo Finance はトークン化米国債市場の約35%のシェアを占める圧倒的なリーダーポジションを確立しており、この市場優位性は単純な先行者利益を超えて、機関投資家からの信頼とパートナーシップネットワークの強さに裏付けられています。仮想通貨の将来性は、こうした市場でのポジションによって支えられています。
新プラットフォームの展開
2025年2月に発表された「
Ondo Global Markets」では、米国株や債券、ETFなど1,000以上の証券がトークン化され、24時間365日取引可能となります。アップルやテスラといった主要企業の株式から、SPY、QQQ、TLTなどの人気ETFまで幅広い資産クラスが対象となっています。この革新により、従来の証券市場が抱える高コスト、非効率性、断片化といった課題がブロックチェーン技術で解決され、グローバルな投資家にとってより参入しやすい金融インフラが構築されることが期待されています。各トークンは基盤となる証券に1:1で裏付けされ、安定性と透明性を確保する設計となっています。
分散型ガバナンスの進展
ONDO DAOの設立により、トークン保有者による分散型ガバナンスシステムが本格始動しています。コンプライアンス体制の強化と並行して、ガバナンストークンの価値向上とプロトコルの将来性を両立させる仕組みを構築中です。分散型組織としてのONDO DAOは、プロトコルの重要な方向性決定において、従来の中央集権的な企業経営とは異なる透明性の高い意思決定プロセスを実現しています。この分散型統治モデルは、伝統的な金融機関との違いを明確にし、新時代の金融インフラとしての独自性を強化しています。
ONDO(オンド)の購入方法
ONDOは多くの仮想通貨取引所で購入することができます。まずBybitのアカウントを
口座開設し、「取引」から
ONDOの購入を進められます。Bybitのトレーディングインターフェースでは、現物取引や信用取引などのさまざまな投資方法を選択できます。Bybitでは、クレジット/デビットカードや
P2P、他の仮想通貨の取引など、複数の支払い方法でONDOを購入できるのが特徴です。暗号資産初心者から熟練トレーダーまで、それぞれのニーズに合わせた手法を選べます。取引手数料も透明性の高い形で設定されており、高度なオプションも利用可能となっています。日本からの利用であれば、一度日本国内の販売所で口座開設した後、購入した仮想通貨をBybitへ送金してから取引する方法がおすすめです。初心者には販売所での少額購入から始めるのが安心です。
Bybitアプリをダウンロードすれば、モバイル端末からの購入ができます。BybitアプリはiOS&Android(スマートフォンやタブレット向けバージョン)に対応し、場所を問わず使用可能となっているのです。保管方法としては、短期的に少額を管理するならホットウォレット(インターネットに接続されたウォレット)が便利です。長期保有や大量のトークンを保管するなら
コールドウォレット(LedgerNanoSやLedgerNanoXなどのハードウェアウォレット)の利用が適しています。
まとめ
仮想通貨ONDO(オンド)は、米国債のトークン化という革新的アプローチにより、伝統的金融と分散型金融の架け橋となる次世代の金融インフラとしての地位を確立しています。BlackRock、Mastercard、Rippleとの戦略的提携により、競合プロジェクトとの明確な差別化を実現し、トークン化米国債市場をリードしています。4-5%の安定利回りと24時間365日の流動性を実現し、世界最大級の金融機関による裏付けと信頼性を兼ね備えています。ブラックロックの予測する1兆ドル規模への市場拡大において、ONDOは先行者優位を活かした成長が期待されています。一方で、2025年11月から2026年1月にかけてのトークンアンロック(19億枚の段階的解禁)や規制変更、金利環境の変化による収益性への影響などのリスク要因も存在するため、適切なリスク管理が重要です。ONDOの主要商品は米国債の利回りに連動するため、FRBの利下げ政策の影響も考慮する必要があります。ONDOは投機的な仮想通貨とは一線を画し、実需に基づいた安定的な投資機会を実現する資産として、機関投資家から個人投資家まで幅広い層にとって注目すべき選択肢となっています。
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