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    デリバティブ取引ルール
    bybit2024-10-16 14:29:11

    取引効率の向上や、市場操作からのトレーダーの保護を目的として、Bybitはデリバティブ取引の注文約定について以下の制限を設けています。本記事では、デリバティブ取引に関して理解しておくべき取引パラメータの概要を説明します。各契約のパラメータについては、デリバティブ取引ルールのページで確認できます。



    1. 最小価格変動単位

    2. 最大成行/指値注文サイズ

    3. 最低想定元本/注文サイズ

    4. 価格制限

    5. ポジション制限

    6. 利食/損切価格保護





    1. 最小価格変動単位

    最小価格変動単位は、最も小さい価格変動幅のことです。

     

    たとえば、BTCUSDT無期限契約の最小価格変動単位は0.1です。つまり、BTCの現在価格が68,592.10 USDTで、それよりも高い売値を提示したい場合、68,592.20 USDT以上でビッドすることになります。






    2. 最大成行/指値注文サイズ

    各契約の1注文ごとに許容される最大数量を設定します。同じ契約における指値注文と成行注文では、最大注文サイズが異なります。指値注文の最大注文サイズは成行注文よりも大きいので、指値注文の方が大きな注文を出しやすくなっています。一方、成行注文については、価格への影響と市場リスクを効果的に管理するため、上限が低めに設定されています。

     

    BTCUSDTを例に取り上げます。成行注文の最大注文サイズは100 BTCですが、指値注文では155 BTCです。つまり、BTCUSDTの成行注文を発注する際に許容される最大数量は100 BTCであり、指値注文では155 BTCになります。






    3. 最低想定元本/注文サイズ

    取引システムの効率性を確保するため、最低想定元本または最低注文サイズに満たない注文は受け付けられません。

     

    最低注文サイズは、1注文ごとの発注可能な最小数量であり、事前に設定されています。最低想定元本は、注文数量に対応する最低注文価額について、最低想定元本や最低注文サイズを用いて算出する際に使用されます。

     

    したがって、1注文ごとの発注可能な最低注文サイズは以下のように算出されます。

    最小注文数量 = Max(事前に設定された最低注文サイズ, 最低想定元本 ÷ 注文価格)

     

    これに対し、

    指値買い注文価格 = Min(注文価格, 終値 × 1.05)

    指値売り注文価格 = Max(注文価格, 終値 × 0.95)

    成行注文価格 = 最終取引価格(LTP)

     

    たとえば、BTCUSDTの最低想定元本を100 USDT、最低注文サイズを0.001 BTCとします。BTCUSDTの最終取引価格は60,000 USDTです。BTCUSDTの成行注文の最小注文数量は、Max(0.001, 100 ÷ 60,000) = 0.002 BTC(切り上げ)となります。



    注:

    ― 最低想定元本や最低注文サイズから算出される数値は、最低注文サイズの精度と一致させるため、切り上げられます。

    ― 決済注文およびインバース契約の注文(参入注文と決済注文の両方)については、最低想定元本の制限はありませんが、事前に設定された最低注文サイズには従う必要があります。






    4. 価格制限

    市場操作からトレーダーを保護するために、Bybitはデリバティブ取引に関して契約価格の制限を設けています。これらの価格制限は、利食/損切注文を除き、ポジションを建てる際と決済する際の両方に適用されます。

     

    許容される最も高い買値を上回る買い注文価格を設定した場合、システムが自動的に注文価格を許容される最も高い買値に修正します。同様に、許容される最も低い売値を下回る売り注文価格を設定した場合、システムが自動的に注文価格を許容される最も低い売値に修正します。

     

    たとえば、価格制限が±5%に設定されているとします。最も高い買値は最終取引価格 × (1 + 5%)、最も低い売値は最終取引価格 × (1 - 5%) で算出されます。

     

    田中さんが、注文価格66,000 USDTでBTCUSDTをロングで指値注文するとします。現在の最終取引価格は60,000 USDTです。5%の価格制限があるため、発注できる最も高い買値は63,000 USDT(60,000 × 1 + 5%)となります。その結果、田中さんが発注した際の注文価格66,000 USDTは、システムにより63,000 USDTに自動で修正されます。

     

    この注文価格は最良の買値よりも不利な価格で発注されるため、注文は即時に約定されます。田中さんが「Time in Force」(有効期間)注文約定戦略としてGTC(キャンセルするまで有効)を使用していると仮定します。BTC価格が66,000 USDTまで急騰し、63,000 USDTで約定された契約数量は半分のみだった場合、残りの契約数量は注文板に掲載され約定を待つことになります。






    5. ポジション制限

    ポジション制限は利用者ごとに保有できる各契約の最大契約数量を示しており、メインアカウントおよびサブアカウントで保有する合計数量が含まれます。現在の未決済建玉に、各利用者のオープンポジションの上限割合(パーセント)を乗じることにより、リアルタイムで算出されます。

     

    たとえば、BTCUSDTのポジション制限が2,762の場合、利用者ごとに保有できる最大契約数量は2,762 BTCになります。未決済建玉についての詳細は、未決済建玉制限(無期限および先物契約)を参照してください。






    6. 利食/損切価格保護

    利食/損切価格保護は、極端な市場の動きからトレーダーを保護し、市場のボラティリティが高い期間に意図しない価格で利食/損切注文がトリガーされるリスクを軽減します。無期限契約や先物契約のトリガー参照価格として最終取引価格を使用し、利食/損切にのみ適用されます。

     

    契約ごとに、対応する価格保護のしきい値があります。価格保護機能を有効にすると、最終取引価格がトリガー価格に達した場合でも、スプレッドが保護のしきい値外であるときは、保護のしきい値に収まるまで利食/損切がトリガーされるのを防ぎます。

     

    たとえば、保護のしきい値が5%に設定されているとします。市場が極端に変動し、マーク価格とLTPの価格差が大幅に開き、スプレッドが約-5.4%となりました。利食/損切価格保護を有効にしてあれば、スプレッド(-5.4%)が保護のしきい値を超えているため、利食/損切注文が意図しない価格でトリガーされることはありません。利食/損切注文は、スプレッドが保護のしきい値に戻り、価格のトリガー条件を満たした場合にのみトリガーされます。

     

    詳細については、利食/損切価格保護を参照してください。

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