BybitのWebhookシグナル取引は、TradingViewからのシグナルを使用して無期限契約や先物契約の自動取引を可能にする強力なツールです。TradingViewのWebhook機能を活用すると、アラートが発動するたびに特定のURLにリクエストを送信し、取引プロセスを自動化できます。
Webhookシグナル取引のご利用前に、以下の重要な注意事項をご確認ください。
— Webhookを使用するには、TradingViewの有料プラン(Essential/Plus/Premium)を契約している必要があります。
— WebhookのURLは絶対に第三者と共有しないでください。共有した場合、偽メッセージや詐欺メッセージを受信したり、第三者からの不正な注文を受け取ったりする可能性があります。
— 受信するTradingViewアラートはすべて、お客様の設定に応じて送信されており、Bybitはそれに起因する取引損失の責任を負いません。
— シグナルのトリガーについてはサードパーティのプラットフォームに依存しているため、シグナルの消失や遅延のリスクがある点にご注意ください。
— この機能は、Bybit公式ウェブサイトでのデリバティブ取引(USDT無期限、USDC無期限、インバース無期限、インバース型先物契約など)に限り利用可能です。また、デリバティブ取引アカウントまたは統合取引アカウントに資金を用意しておく必要があります。
以下のセクションでは、BybitにおけるWebhookシグナル取引の設定・利用方法について、順を追ってご説明します。開始前に、アカウントに十分な資金があることをご確認ください。
TradingViewでの戦略実行
ステップ1:「契約」ページに移動
「デリバティブ」タブで、取引したい契約のページに移動します。注文ゾーンで「ツール」をクリックし、「Webhookシグナル取引」を選択します。
ステップ2:Webhookの作成
「今すぐ作成」をクリックします。作業を進めるには、この機能の概要を理解する必要があります。Webhookシグナル取引の実行方法については、チュートリアル動画をご覧ください。その後、「上記を確認しました」をクリックしてください。
ステップ3:Webhookの設定
以下の手順に従ってWebhookを設定してください。
- シンボルの選択:Webhook取引に使用したいシンボルを選択します。この説明が、TradingViewで戦略に使用するシンボルと一致していることを確認してください。
- ポジションモード:ワンウェイモードにします。戦略の実行に使用するシンボルのポジションモードが「ワンウェイ」モードに設定されていることを確認してください(「ヘッジポジション」モードでは自動取引がサポートされていません)。
- シグナル名:TradingView戦略のシグナル名を入力します。
「Webhookを作成」をクリックします。
これで、Webhookを作成できました。
注:
— Webhookシグナル取引は「ワンウェイ」ポジションモードでのみサポートされています。戦略スクリプトが「ヘッジポジション」モードに依存していないことを確認してください。
— Webhookは通貨ペアごとに作成する必要があります。
ステップ4:Webhookの実行
Webhookの作成後は以下の手順に従ってください。
a) 各契約をクリックして、TradingViewで戦略を実行します(必要な場合)。
b) TradingViewページで「ストラテジーテスター」をクリックし、戦略を読み込みます。
Webhookシグナル取引は戦略の実行のみを目的としており、指標には対応していないことにご注意ください。チャートで指標と戦略のどちらが使用されているかを確認するには、Pine Scriptソースコードの最初のセグメントをご覧ください。「Strategy(戦略)」と書かれていれば、戦略が使用されています。一方、「Indicator(指標)」と書かれていれば、指標がチャートで使用されています。
c) 戦略の設定を開き、以下のようにパラメータを設定します。
- Bybitアカウント残高への初期資金額を設定します。
- 注文ごとの希望数量を入力します。シグナルを受信した後に、その数量で注文が発注されます。
注:
— インバース契約では、現在、契約単位での注文サイズのみがサポートされています。USDまたは保有資産の比率で注文サイズを入力すると、注文建てに失敗する可能性があります。これは、TradingViewとBybitで契約価額の計算ロジックが異なるためです。
— 契約単位で注文サイズを入力する場合、インバース契約における1契約あたりの単位は1 USDとなります。一方で、USDTまたはUSDC契約の場合は、BTCUSDTとBTC-PERPを例にとると、1契約あたりの単位は1BTCとなることにご注意ください。
d) ストラテジーテスターの「アラート」アイコンをクリックし、戦略のアラートを作成します。その後、アラートのポップアップウィンドウでメッセージテンプレートとWebhook URLを貼り付けます。
- Bybitのページからメッセージテンプレートをコピーし、アラートの「設定」タブのメッセージボックスに貼り付けます。
- BybitのページからWebhook URLをコピーし、アラートの「通知」タブのURLに貼り付けます。
ステップ5:「Webhookを実行」をクリックします。
これでシグナル取引の設定が完了しました。戦略シグナルのプッシュ通知が、Bybitアプリやブラウザに送信されるようになります。
シグナルの詳細表示
Webhookシグナルの詳細を表示するには、「ツール」タブを開いて「Webhook」を選択します。シグナル名、トリガー回数/取引回数、実現損益、作成時間を確認できます。
シグナルの詳細情報をさらに表示するには、横にある「詳細」ボタンをクリックします。Webhook URLとメッセージテンプレートを確認できます。また、この戦略で約定した取引も表示されます。
Webhook戦略」タブに表示される実現損益は、各Webhook戦略で約定した取引の実現損益であることにご注意ください。手動取引により生じた損益は、ここには表示されません。
または、「ツール履歴」→「ツールの種類」で「Webhook」を選択し、詳細を表示することもできます。
Webhookシグナルの終了
手動での終了または一時停止:Webhookシグナルを手動で終了するには、「ツール」タブに移動し、終了したいWebhookによって開始されたシグナルを探して「終了」をクリックします。戦略を一時的に停止する場合は、「一時停止」をクリックします。
自動終了:Webhookシグナルは、以下のような理由で自動的に終了する場合があります。
- 10回連続して注文に失敗した場合。
- 選択した契約タイプがTradingViewでサポートされていない場合。
- パラメータの設定が不完全な場合。
- サポートされていないポジションモード(ヘッジモード)が選択されている場合。
- 選択した先物契約の受渡日が近づいている場合。
- アカウントが統合取引アカウントに更新中である場合。
- Webhook戦略の数が作成可能な上限に達した場合。各シンボルでは5件のWebhook戦略を同時に実行可能で、各UIDは最大10件のWebhook戦略を同時に実行できます。
- アカウントが制限されている場合。
注文制限
Webhook戦略で発注する注文には、無期限・先物取引の手動取引に関する注文制限がすべて適用されることにご注意ください。これには、最小・最大注文サイズ、契約価格制限などが含まれます。
Webhook戦略での注文は、以下の理由により失敗する場合があります。
エラーメッセージ |
説明 |
シグナルの遅延により、注文ができませんでした。 |
シグナルの転送が遅延しており、注文が発注されて約定した場合に、シグナルが戦略と一致しない可能性があります。そのため、注文はキャンセルされます。 |
シンボルが無効だったため、注文ができませんでした。 |
戦略で指定された通貨ペアは、Bybitではサポートされていないか、上場廃止となっています。 |
パラメータの不足により、注文ができませんでした。再度メッセージテンプレートをコピーしてご利用ください。 |
パラメータ設定が不完全です。Webhookを再実行してください。 |
利用可能残高が不足していたため注文に失敗しました。 |
注文発注に必要な証拠金が不足しています。デリバティブアカウントまたは統合取引アカウントに資金を追加してください。 |
ポジションモードが一致しないため注文に失敗しました。 |
Webhookシグナル取引はワンウェイポジションモード以外ではサポートされていません。ポジションモードがヘッジモードに変更されており、注文の発注に失敗しました。 |
リスク制限を超えるため注文に失敗しました。 |
注文が発注されると、リスク制限が現在設定されている階層を超えてしまいます。取引設定でリスク制限を調整できます。 |
受渡日が近い契約ではリデュースオンリー注文のみ発注可能です。 |
先物契約の受渡日が近づいているためオープン注文は発注できません。 |
未決済建玉制限を超えるため注文に失敗しました。 |
注文が発注されると、未決済建玉制限を超過することになります。 |
統合取引アカウントの更新中に、注文発注に失敗しました。 |
お客様のアカウントは統合取引アカウントに更新中です。注文発注は受け付けられません。 |
よくある質問
レバレッジまたはマージンモードはどのように調整できますか?
Webhookシグナル取引で使用されるレバレッジまたはマージンモードは、各契約の取引ページに配置されたレバレッジ設定に基づいています。レバレッジを調整するには、取引ペアの注文ウィンドウでレバレッジとマージンモードを変更することができます。
TradingViewのプロパティパラメータをすべて入力する必要がありますか?
Bybitがシグナルを正しく受信するために入力が必須であるパラメータは、現在のところ、各注文の発注数量を決定するための注文サイズのみです。実際に発注できる注文の総数は、アカウントの利用可能残高によって異なります。
初期資金額のパラメーターは注文発注には影響しませんが、バックテストデータがより正確になるように、デリバティブまたは統合取引アカウントの利用可能残高に応じて、初期資金額の入力を行うことをお勧めします。
TradingViewの注文単位は何ですか?
インバース契約の場合、1契約あたりの単位は1 USDに相当し、BTCUSDTやBTC-PERPのようなUSDT無期限またはUSDC契約の場合、1契約あたりの単位は1BTCに相当します。インバース契約では、現時点では契約単位での注文サイズのみがサポートされていることにご注意ください。注文サイズをUSDまたは保有資産の比率で注文サイズを入力すると、注文建てに失敗する可能性があります。これは、TradingViewとBybitで契約価額の計算ロジックが異なるためです。
注文サイズを大きくしたり小さくしたりするにはどうすればよいですか?
注文サイズは、「戦略の設定」 → 「プロパティウィンドウ」→「 注文サイズ」から調整できます。注文サイズの変更後は、アラートにも変更を保存する必要があることにご注意ください。
戦略の変更をアラートに保存するには?
戦略の設定(インプット、パラメータなど)に変更があった場合は、アラートに変更を保存して、注文発注のためにBybitに送信されるシグナルが更新されるようにしてください。
変更を更新するには、TradingViewページの右側にある「アラート」に移動し、「設定」のアイコンをクリックしてアラートを編集してください。ドロップダウンの「条件」からアラートの変更を選択し、「保存」をクリックしてください。
Webhookメッセージテンプレートを変更できますか?
メッセージテンプレートは、TradingViewからBybitにシグナルを送信し、注文を発注するために重要なものであるため、変更することはお勧めしません。
Webhookシグナルがトリガーされたにも関わらず、取引履歴が表示されないのはなぜですか?
これは、TradingView上の戦略のプロパティ設定が欠落しているか、注文サイズの入力 が最小注文サイズ要件を満たしていない、またはメッセージテンプレートが正しくコピーされていないなど、設定が正しくないことが原因である可能性が高いです。
詳細を確認するには、右下のアナウンスにアクセスし、TradingViewアラートをクリックしてください。
注文状況を確認するには?
注文状況を確認するには、「シグナルの詳細」にアクセスしてください。注文が失敗した場合は、カーソルを情報アイコンに移動すると、その理由を確認できます。
ポジションに証拠金を追加したり、自動証拠金補充(AMR)を有効化するにはどうすればよいですか?
手動取引と同様に、ポジションタブから証拠金を追加したり、AMRを有効化することができます。
Webhookシグナル取引でサポートされている注文タイプは何ですか?
TradingView Webhook機能は主に、チャート上で特定の条件が満たされた場合に、外部システムやサービスにアラートや通知を送信するために設計されています。約定を含む様々な用途にご利用いただけますが、TradingView Webhookを通じて指値注文を発注する場合には、考慮すべき制限があります:
執行能力:TradingView Webhook は、主にシグナルやアラートを外部システムに送信するためのものです。チャート上の特定のイベントに応じてアクションをトリガーする方法は提供しますが、取引を直接執行したり、取引所に注文を発注したりする機能は組み込まれていません。したがって、Bybitがシグナルを受信すると、成行注文が執行されます。
Bybitとの統合:TradingViewを通じて指値注文を執行するには、APIを通じてTradingViewとBybitを統合する必要があります。そのためには、TradingViewとBybitの間で必要な接続と設定を行う必要があります。
Webhookの制限: Webhookは通常、TradingViewが外部システムにデータを送信する一方向通信に使用されます。注文の発注には、取引プラットフォームが注文の発注を確認し、フィードバックやステータスのアップデートを提供する双方向の通信フローが必要です。Webhookだけでは、注文発注に必要な双方向通信を提供できない場合があります。
Webhook シグナル詳細の実現損益がプラスで表示されていますが、決済損益がマイナスになっているのはなぜですか?
Webhook ツール詳細に表示される実現損益には、Webhook 戦略を介して約定した取引から実現したポジション損益のみが表示されることにご注意ください。取引手数料および資金調達手数料は含まれません。また、ユーザーによる手動取引による損益も含まれません。
Webhookシグナル取引で注文が約定した際の通知をON/OFFする方法を教えてください。
現在、ウェブサイト上ではWebhookシグナル取引の約定通知をオフにすることはできません。
アプリの通知センター設定から、TradingView アラートを有効または無効にしてください。